ユナイテッド航空：航空券の予約をするも、Eチケットが発券されないまま当日を迎えて空港で詰んだ

 

今回、私が遭遇したのは旅行会社経由ではなく、”ユナイテッド航空のWEBサイトで航空券を購入したにも関わらず、Eチケットがチェックイン時間を過ぎても発行されなかった” という話です。

 

航空券の予約が完了した際、まず予約番号（PNR: Passenger Name Record）が確定されます。

PNRには氏名、航空会社、便名、予約クラス、フライトスケジュールなどが登録されており、1人に一つの割当ではなく、予約単位ごとに1つの割り当てとなります。ですので、団体ツアーなどでは通常はグループで一つのPNRとなります。

英数字5、6桁のもので、航空会社独自のものもあれば、共通予約システムで参照できるものもあります。
参考 ANAマイルで発券した特典航空券をAmadeusと運航エアラインWEBサイトで参照

 

 

PNRとは別に航空券にはEチケットというものがあります。このEチケットこそが航空券になり、その識別番号がEチケット番号ということになります。

始めの3桁が航空会社の識別番号となっており、016ならユナイテッド、205ならANA、131ならJALといった具合です。
参考 IATA :Airline and Airport Code Search

 

つまり予約完了後にPNRが確定していても、Eチケット番号が発行されていない限り、航空券はまだ発券されていない状態、になります。

信頼度に？がつくような旅行代理店では、予約完了後にEチケットがなかなか発券されなかったりして、しばしばトラブルの原因となっています。てるみ倶楽部の話が最近では話題になりました。
参考 格安航空券サイト GotoGate はクレカ手数料に注意

 

さて今回、私が遭遇したのは旅行会社経由ではなく、”ユナイテッド航空のWEBサイトで航空券を購入したにも関わらず、Eチケット番号がチェックイン時間を過ぎても発行されなかった” というケース。（今回と言っても昨年2016年ですが）

 

後学のため、あるいは同じ境遇にはまってしまった誰かのための備忘録ということで。また私は予約システム（GDS）について完全に理解している訳ではなく、中の人からすると認識違いしている部分があるかも知れませんので悪しからず。

 

その他、United関連記事。
参考 ユナイテッド航空：アプリで他社接続便のチェックインを試す
参考 ユナイテッド航空：預け入れ荷物の追跡が可能な「Track my bags」機能
参考 ユナイテッド航空：オンラインチェックイン、座席指定の方法
参考 ユナイテッド航空：アプリの高解像度空港マップとルーティング機能がよく出来ている
参考 ユナイテッド航空：他社フライト予約時、運航エアラインのPNR 予約番号確認方法

 

ユナイテッドのWEBサイトで前日に予約

急な事情であったためチケットを購入したのは前日。ユナイテッドのWEBサイトからいつも通り予約を完了し、PNR（予約番号）は予約完了後の画面ですぐ表示され、予約確認メールもすぐ来ました。

 

メッセージもいつも通りで、”アナタの予約を処理中ですぐにeTicket送りますね。通常は1時間以内だけど、たまにそれ以上かかることもあるよ” てな感じです。

 

他社便もまとめて予約した場合の航空券の扱い

購入したチケットは4レグ（区間）のチケット。最初の区間が中国国際航空（CA）、残りの3区間がユナイテッドのフライトという具合でした。

	Flight No.	Leg	Booking Class
1	CA1586	YNT – PEK	Y
2	UA889	PEK – SFO	B
3	UA378	SFO – IAH	B
4	UA5211	IAH – MTY	B

 

 

ユナイテッドのWEBサイトでは、予約内容に他社運航区間が含まれる場合、ユナイテッドのPNRとは別に、他社で参照するためのPNRも表示することが可能です。つまり、この予約に関しては中国国際航空のPNRが表示されます。

参考 ユナイテッドで他社便予約時、運航会社側の予約番号を見る方法

 

 

ユナイテッドでの予約の場合、通常は予約完了後の上のメールの後、早ければ数分、あるいは遅くとも1、2時間ほどでEチケット番号もメールで送られてきます。これをもって発券が完了です。

しかしこの時はかなりバタバタしていたため、Eチケット番号が記載された発券メールが来ていないことに全く気が付きませんでした。結局ここが失敗だったのですが。代理店ではなくエアライン本体で予約したので、未発券のようなことが起こるとは思ってもいません。

 

特筆すべきは、先の予約完了メールですが、Eチケットが発行されていない状況でもCAのフライトで既に座席指定が入っていることです（41J）。このあたりはワタシも？？

 

 

私はスマホのアプリがある航空会社の場合、出来るだけアプリを使用し、モバイルボーディングパス（wallet等）でチェックインからボーディングまでをカバーするようにしています。

ですので、今回もユナイテッドのアプリを使用していました。予約完了後、アプリでもすぐに予約内容を見ることが出来ます。

しかし気を付けたいのが、他社運航便（コードシェアではない）の場合、予約こそ一括で完了した場合でも、ユナイテッドのWEBサイト（アプリ含）では他社便の予約状況は参照することは出来ません。

今回の場合、他社便が含まれる時はいつもは必ず行う運航エアラインWEB（今回は中国国際航空）での確認も飛ばしていました。

 

Eチケット番号がないまま、チェックイン締切り時間が迫る

さてフライト当日、中国の烟台空港*（YNT：Yantai）のチェックインカウンター。地方空港なので、チェックインを担当しているスタッフは中国国際航空（CA）の方ではありません。

*最近日本人がスパイ容疑で不当に拘束された烟台

 

 

 

ここでようやく発券されていないことが判明。私自身もユナイテッドからEチケット発券メールが来ていないことをやっと認識します。ただ中国国際航空（CA）のPNRだけは手元にあります。

 

 

やさしいー（次の人に）

 

押し問答している内に、気がつけば07:45。

• 08:00 チェックインクローズ
• 08:35 フライト

これはひょとするとヤバイ可能性があると気が付きます。

 

 

選択肢 1: ユナイテッドのコールセンターにTel

ユナイテッドの東京コールセンターが日本時間09:00から営業。中国とは時差1時間、チェックイン締切りの08:00とちょうど重なります。ダメ。

そこでUnitedアメリカ本国のコールセンター、こちらは24時間日本語OK。そちらに電話をしますが、順番待ちで全くオペレーターに繋がりません。死亡。

 

選択肢 2: 中国国際航空のコールセンターにTel

CAの東京コルセン番号を調べようにも、追い討ちをかけるように空港内WIFI、3G共にかなり不安定でネットに繋がりません。烟台にはCA直のカウンターもなく、もはや万事休すかと・・。

 

選択肢 3: 空港チケットカウンターにて新規購入

時計は07:50。カウンターお姉さんに再度掛け合い相談。

 

結局背に腹は変えられず、大慌てでPEKまでの航空券だけをチケットカウンターにて新規購入（涙）。急いでチェックインカウンターに戻り、ギリギリでチェックイン。まぁ13,000円ほどで済んだのでよかったのですが。この時はまだ『Unitedよ、この恨み末代まで忘れじ』という思いです。

 

 

ユナイテッドへの状況確認、ワシどうなるの

どうにかチェックインが完了、保安検査を経てエアサイドにて日本時間9時を過ぎ、ユナイテッドの東京コルセンに電話。運良くすぐつながりました。

Wifiが不安定で、SkypeもSmaTalkも使えず普通の国際電話になり割高でした。国際電話アプリはこちらで。
参考 海外旅行で現地SIMを使っても、国内キャリアの携帯番号で着信を受ける方法

 

 

斯く斯く然々の状況を話し説明。待つこと数分、

 

 

 

 

 

 

時計を見ればもう08:20。ファイナル・コールの案内が流れている

 

 

名前だけ聞いて電話をきり、急いでギリ搭乗。

 

 

 

心配なのはこのままだと、当初のチケットの第一区間に搭乗していないのでチケットが丸々ノーショー扱いになること。つまりは複数レグあるチケットの場合、第一旅程から開始していないと、ノーショー（No Show）となり、丸々無効になることです。

今回のケースでは言えば、ユナイテッド側で第一レグのCAをカットして、第二レグから有効にする、そんなことが可能なのかが非常に心配でした。

 

下位ブッキングクラスのチケットへ変更

北京に到着。再び約束していたUnitedの東京コールセンターへ電話。

 

 

 

 

あれ待てよ。

たまたま下位ブッキングクラスに空きが出て？それを充てがい、当初の予約分は丸々キャンセル。ユナイテッドは痛くないし、私もまぁ痛くはない。あれオレはうまく丸め込まれたのかな・・

とも考えましたが、もうこの際、金銭的損失が無くて乗れれば何でもいい。マイル積算が半分？んなもんどうでもいいんだ今は、乗れれば。が、これではまだ甘かったのです。

 

国内線から国際線乗り換えでは、次区間のチケット提示が必要

ここ北京でも実は時間がない。

北京での乗換えはイミグレの混み具合が全てを握るのですが、タイミング次第なところもあります。既に到着も安定の30分以上ディレイ。国内→国際線乗り換えのルートを歩きながら、先の電話をしていたのですが、再びトラブル。

 

国際線トランジットエリアへ抜ける通路の警備員さん登場。

 

次のフライトのチケット提示を求められたのですが（まぁ当然ですが）、今まで経緯から今手元にチケットはない。ここで私も『あれ？そう言えば、どうやって次区間があることを私は証明すればいいんだろうか』と気が付きます。

 

警備員さんに事情を説明しますが、スマホの予約画面見せてもダメ。全く取り合ってくれず押し問答。オレはこのまま北京空港に住むのかなと考えはじめたところに、キレイ目な空港お助けスタッフのお姉さんがたまたま通りがかります。

警備員には英語があまり通じなかったのですが、このお姉さんには通じます。私は今までの事情を一通り説明。

 

無事に通過をできたアルよー。謝謝謝謝、ふーりんちーちぁいらい。

 

 

 

 

今や北京のジャンヌダルクとなった彼女はヒールであることを物ともせず走り出し、私もそれに続き、ゲートを彼女の顔で次々とパス。（北京空港で困ったら、金色ジャケのお姉さんんにHELPです）

ユナイテッドのカウンターになんとか辿り着きます。

 

メールもその頃やってきました。PNRはそのままで当初のYNT-PEKはカットされ、UAフライト区間はブッキングクラスがTになっています。

 

荷物のピックアップを忘れる

 

チケットのことで頭が一杯で、荷物のことを忘れていました。国内線から国際線乗換の際は、荷物のピックアップが必要です。そもそもチケットが通しではなく、別切りになったんだし。Unitedのカウンタースタッフも時計を見せながら「あと10分しか無いわ」。ここまで来て今度こそ万事休すか・・。

 

ジャンヌダルク再びで彼女は走り出します。

北京空港で今まで通ったことないルートをID見せながらバシバシパスしていきます。あぁこんな通路があるんだと感心しながら、あっという間に荷物レーンに到着。私のフライトの荷物は既にレーンも回りきって、レーン脇にぽつんと置かれているマイバッグを発見。

すぐさまピックアップ、道を引き返しUnitedのカウンターへ到着。チェックインクローズから5分過ぎていましたが、チェックインさせてくれました。

お姉さんのIDでセキュリティの長蛇の列をすっとばし、一番前に入れてもらったところで、

 

 

感謝しきれない感謝を伝えて、お別れとなりました。名前を聞かなかったのが悔やまれますが、次回北京で時間があればどうにか彼女に礼をしたい。そう思わせてくれるような方でした。

 

 

海外での航空券トラブルに備えての対応・準備まとめ

1.フライト前日の時点でEチケットが発行されていなければ、すぐ問い合わせをする。

旅行代理店等で予約した場合はその購入先、航空会社で購入した場合はその航空会社に問い合わせです。

ただし、コールセンターの営業時間には注意をしましょう。もし日本のコールセンターが営業時間外でも、航空会社現地国のコールセンターが時差で営業時間内、あるいは24時間対応の場合がありあす。ただし多くは英語での応対なるので頑張る。

 

2.出発前に航空会社、購入先代理店のコールセンターの電話番号は調べておく

上に関連し、万が一空港で何かしらの不測の事態に備えて、航空会社のコールセンターの電話番号（できれば日本、現地、本国それぞれ）、購入先が旅行代理店だった場合はその代理店のコールセンターも調べておきましょう。

国外で時間が差し迫ってる状況では、調べるだけで時間を取られるとその時間が致命傷になる場合も考えられるので、出発前に調べておくことをオススメです。旅慣れて精通している人ほど、すぐ調べられると考えがちですが、電波状況がいまいちだったり、調べる時間すらない状況は突然やってくるのです。

 

3.現地の通信手段を確保しておく

海外現地でスマホで何かを調べるには、まずはデータ通信が可能な環境が必要です。日本ではそんなことはありませんが、海外の空港では建物内に入ると途端にFree wifiが不安定になることもあります。またFree wifiを利用するためにOTP（ワンタイムパス）の登録が必要で、SMSがなかなか届かなったりと、スムーズにいかない場合もあります。

事前に空港のwifi状況、あるいは必要があれば現地SIMの購入方法を調べておくのも手でしょう。通話に限れば、日本の3キャリアであれば今はほとんどの国でそのまま通話が可能なことが多いですが、こちらも予め調べておくに越したことはないでしょう。

参考 Vodafone アイルランド RED Roaming SIM：購入・登録とアプリの設定方法。世界中で200MB、2.99ユーロ/日から

 

4.万策尽きるも絶対にそのフライトに乗る必要がある場合は当日空港で買いなおす

仕事やその他の事情でどうしても、何がなんでも当初予定していたフライトに乗る必要があるのにチケットでトラブって、もはやチェックインクローズは目前。もうその場で買うしかありません。もちろん値段と空席状況によりますが。

航空会社から直で購入していれば（こちらに落ち度が無ければ）、後からのクレーム保証でどうにでもなる可能性が高いですが、代理店によっては交渉が難航する場合も考えられますので、そこはよく考えましょう。

今回私のケースでは中国国内線だったので、買い直し費用も1万円ちょいと心理的ハードルもかなり低かったので良かったのですが。

 

どこの国に行ってもそうですが、全く不親切な人もいれば、感謝しきれない程めちゃくちゃ親切な人もいます。やはり困っている人がいれば慈悲の心ですね。必ずや自分に返ってくるように思います。